マクガフィン

映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレットのマクガフィンのレビュー・感想・評価

2.7
徹底的なギャンブルによる弱肉強食の学園を舞台に、人間の表裏や紙一重さとのギャンブルとのマッチさにコミカルを交えた抑揚があるテイストがシリーズの面白さなのだが、其々の要素がことごとく蔑ろにされるオリジナル作品の甘さが目立つ。TVドラマ・劇場版鑑賞済み。原作未読。

肝心な敵役の藤井流星の掘り起こしが悪く、演技力と相まった情緒不安定な小物臭が残念。大物感を出すために声を変えるが、逆にノイズを感じる不快感で、セリフも無駄な動作も多いので終盤まで停滞することに。

ギャンブル・バトルなのに、勝敗がギャンブルと直接関係ないことが繰り返されるので、中々ドライブがかからない。終盤のギャンブル以外は見所が無く、浜辺美波と池田エライザの演技力で作品を引き締めたが、「ビィラン vs ビィラン」の構図や宿敵との共闘のアツさも余り伝わらない。

劇場版は徐々に生徒会長に近づいている感じがしなく、TVドラマや配信版の方がプロットが面白く演出が冴えるし、このシリーズは映画よりもドラマ向けでは。最後に予告めいたことはあるが、今作品の出来栄えと興行成績ではシリーズとして継続できるか心配に。