人の顔というのは、知ってる人と知らない人では見るという体験、見るという行為の種類じたいが違っている
知ってる人の顔というシニフィアンはその人のイメージというシニフィエと結びついているので、知らない人を見る場合とは違って顔の配置とかを見ているのではなくてその人そのものを見ているという感覚がある
実写映画では「ファーザー」のやり方はあまりうまくいっていなくて、常にカメラはアンソニーホプキンスの目線になっているが、それを通して見ている私たちはアンソニーホプキンスが忘れてしまった人物をありありと覚えている、というねじれが常に付き纏っていた
今作は人形とストップモーション独自の表現方法をフルに活かして記憶と認知の問題を描いているのが本当に見事
アイディアがてんこもりでした