イチロヲ

花と沼のイチロヲのレビュー・感想・評価

花と沼(2020年製作の映画)
3.5
気持ち悪いものを嗜好しているエキセントリックなOL(七海なな)が、女子社員から煙たがられている課長(麻木貴仁)に興味を抱いていく。ヘンテコな感性をもつ者同士のすれ違いドラマを描いている、オーピー配給のピンク映画。

(筆者は、成人映画館向けのR-18版「キモハラ課長 ムラムラおっぴろげ」を鑑賞している)

別題「花と沼 一花の秘密の性癖」。"当人(主に女性側)が不快に思ったら、その時点でセクハラになる"という時流を汲んでいる作品。課長のことを不快に思わないヒロインが、自身の情欲と向き合っていく。

ヒロインがエリート社員に寝取られて、キモハラ課長が風俗店に通い詰めるのだが、心の中では互いの姿をイメージする。この倒錯的な状況が、エロティックかつコミカルに表現されている。盗聴器入りボールペンという特殊アイテムの使い方も面白い。

課長のキャラが言うほどキモくなく、普通に必要な人材ではないかと思えてしまうが、ヒロインの"女神化"という、ピンクの王道を継承することに成功している。クライマックスのかぶりつき演技にも、不思議な感動を覚えることができる。
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