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ダイアモンドは傷つかないのKinaponzのレビュー・感想・評価

ダイアモンドは傷つかない(1982年製作の映画)
3.4

 田中美佐子演じる弓子の
 大人びているようで未完成な女の

 アンビバレントな美しさが、
 この年頃ならではの輝きを強く放って
 
 三村 (山崎努) の子どもじみた執心をあぶり出す…。

 それにしても、弓子や和子 (加賀まりこ) が
 独りで家に居るときの

 蛍光灯の灯りのなんと寒々しくうら悲しいことか。

 昭和の後半は、
 蛍光灯の白々とした明るさと
 その明るさがつくる影とが織りなす

 得も云われぬ寂寥感と

 共にある時代だった気がする。

 陽光でも、火影でもない細々とした狭光。

 感傷の疼きなしには観られない一本。
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