ロアー

無職の大卒のロアーのレビュー・感想・評価

無職の大卒(2014年製作の映画)
3.8
工科大学を卒業するもなかなか職に就けず、4年間、就職活動を続けている《無職の大卒》ラクヴァラン。
とある縁をきっかけに念願の職を得たラグヴァランはホームレスの住居を建設する公共事業を任されるが、ライバル企業の酷い妨害を受けてしまう。

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いわゆるニート生活をしている主人公が家族に邪険にされている日常から始まるので(ペットのわんこの名前おもしろい)序盤はちょっとコメディっぽいけど、実際は社会問題を扱った真面目?な下剋上映画です。

能力のない者がコネや親の後継ぎとして職を得るがため、能力があるにも関わらず職がないたくさんの《無職の大卒》が生まれてしまう社会構造。これってインドに限らずどの国にも少なからずある話なんだろうけど、たくさんの工科大があって人口の多いインドだと、なおさら問題が顕著に出てしまうんだろうな。「スーパー30」を観て教育を受けること自体の大変さも知ったけど、何とか教育を受けられたとしてもそこからまた職に就くまでが大変という難しい現状のようです。

とあるショックなできごとを経て、後半はやっと主人公が脱ニート。
そこからはまさにライバル企業の能力のないバカ息子 VS 優秀な無職の大卒という構造で、眼鏡をかけて覚醒した主人公はまるで逆クラーク・ケントのようでした。
仕事もできるし腕っぷしも強い。長台詞で啖呵を切るのもスカッとしました。
主人公のラクヴァランという名前が悪役ネームというものらしくて、「ラクヴァランって名前は悪役だから~」ってバカ息子を煽る台詞もアンチヒーローみたいでかっこよかった。てかこの主人公、ものすごい煽り属性だよねww

「ラジュー出世する」みたいにお隣に住む美女と就職先の令嬢という2人の女性が出てくるので、恋愛絡みでひと悶着起きるかとずっとどきどきしてけどそっちは特に大丈夫だった。良かった。
てか、バカ息子以外は比較的みんな優しい人たちばっかりの映画でした。
会社の先輩も悪役になりかねない設定だったのに、逆にコメディリリーフの立場で何気に優しい言葉をかけてくれたりしてめっちゃいい人。ちょっとだけ続編の「ゼネコン対決」の方も観始めたんだけど、先輩の奥さんのFBフレンドネタがまだ健在だったので、面白いけどつくづくお気の毒ですww
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