このレビューはネタバレを含みます
試写会にて鑑賞
1年ほど前から予告編が流れていたためタイトルと主題歌は認知していたが、よくある青春モノという認識だった
しかしその実態は田舎の高校に土屋太鳳演じるAI搭載のアンドロイドが現れて…という青春×SFという感情がサマーシーズンに逆戻りする一本
とにかく主役のAI・シオンを演じる土屋太鳳のエネルギッシュな演技と歌唱力が素晴らしい！彼女のファンなら観るべきだし、そうでなくても観たらファンになるほどの魅力が詰まっている
無邪気で天真爛漫なシオンは主人公のサトミの「幸せ」を望み、周辺の人物を巻き込んで歌って踊る。そのミュージカルシーンの歌・音・光の演出が白眉。ミュージカル映画に分類するには楽曲数は多くないものの、アニメーションが迫力満点で印象深い。そしてなぜ幸せと歌が結びつくのかに意味を持たせてくれている脚本にも拍手
あくまで主人公は高校生であって世界や未来を守るという大それた話にならないのも良い。彼らの不安定な感情と可能性に満ちたAIという存在がマッチしており、余計な世界観や専門用語を持ち込まないことで観る者の感情をストレートに震わせてくれる
ただ少し惜しいのが主人公サトミの歌唱が（ほぼ）無いこと。シオンに感化されたなら彼女と歌うシーンがあれば「心」を通わせた強い演出になったはずなのに…！
