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ザ・スイッチのJIZEのレビュー・感想・評価

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
3.7
気弱で冴えない女子高生と中年男の凶悪殺人鬼の史上最悪の"入れ替わり"が描かれる。今年の1月から公開延期で待ち望みつづけた。まず冒頭で『13日の金曜日(1980年)』のような凄惨なあらましを、手加減抜きで魅せつける殺戮の一連のくだりは、連続殺人鬼の無機質な素性を軽快に提示して秀逸に思う。同時にゴア描写自体もかなりハードで容赦無く、脳裏に焼き付いた。端的に云えば減点式で面白味が後退してゆく出オチの作品なのかと思う。つまり体の入れ代わりが本編での重要な装置を為していて、そこに全比重が置かれているためそれ以上のホラー性や展開がほぼない。謎の剣の設定もファンタジー方向に逃げたため、良くも悪くも既視感。入れ代わり後の殺人鬼の弱体感や、殺人のすんドめシーンがつづくのも導入のくだりがあったからこそ見劣りしてしまう。。ランドン監督の『ハッピー・デス・デイ(2019年)』シリーズの系譜に近しく、コメディホラーの作風として愉しむ分では、はしゃぎながら観れるタイプの映画だと思う。
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