たく

ザ・スイッチのたくのレビュー・感想・評価

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
3.6
都市伝説の殺人鬼が普通の女子高生と入れ替わるホラー版「君の名は。」で、同じクリストファー・B・ランドン監督の「ハッピー・デス・デイ」程ではないけどブラムハウスらしいB級臭がなかなか楽しめた。
ヴィンス・ヴォーンのイカつい風貌が入れ替わり後の乙女チック演技に最高に活かされてて、「明日への地図を探して」が印象的だったキャスリン・ニュートンも地味な前半から派手な悪女に変貌する後半のギャップが良かった。

「11日の水曜日」から始まるジェイソンへのオマージュが洒落てて、入れ替わり後にミリーが自分の身体を取り戻そうとするドタバタ展開とキツめのゴア描写がちょうどいいバランス。
殺人鬼が学校の各設備の使い方を知ってるのが不自然だったけど、そもそもの話がブッ飛んでるのでまあいいかってなった。
自分に自信のないミリーと夫を失った母親それぞれの乗り越えの成長物語になってて、家でも警官の制服を脱がない父親代わりみたいな姉と3人で力を合わせるラストに象徴されてた。

ミリーの親友が黒人とゲイというのがポリコレ配慮になってて、殺人鬼と女子高生の入れ替わり設定も「人を見掛けで判断してはいけない」というメッセージが込められてるんじゃないかと勝手に想像した。

「タマ」とか時計にまつわる細かい伏線回収が上手く、特に最後の決めゼリフがバッチリ決まってたね。
原題”Freaky”は「異常な」「奇妙な」という意味で、これは邦題の方がしっくり来る。
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