Jonayama

ザ・スイッチのJonayamaのレビュー・感想・評価

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
4.3
サイコなシリアルキラーの"ブッチャー"が押し入った家で古い魔力の込められたナイフを盗む。
後日、そのナイフ刺されてしまった女子高生ミリーはナイフの持つ力で"ブッチャー"と魂だけが入れ替わる呪いをかけられてしまった。
彼の落としたナイフにはスペイン語で「24時間以内に相手を刺さねば永久に戻ることはない」といった趣旨の記述があった。

本作は2010年頃から予算は多くないがアイディアに富んだ良質なホラー作品(時々他のジャンルもあるが)を次々と世に送り出しているブラムハウス・プロダクション制作、『ハッピー・デス・デイ』シリーズ等のヒットも記憶に新しいクリストファー・B・ランドンが監督した80年代リスペクトなスラッシャー系ホラーコメディ。

『ハッピー・デス・デイ』のノリを引き継いだような恐ろしいヤツに殺されそうになるのに喜劇的という一見相反するものが見事に合致して怖ウケる作品になっているのは本当に見事。
おっさんとJKが中身だけ入れ替わるというあるっちゃある設定だが他の設定や演出を巧みに活かしてとても高水準な作品になっていると感じた。

本作ではゴリゴリのコメディ俳優ヴィンス・ヴォーンを恐ろしいシリアルキラーに据えているのが驚き!
身体がデカいので威圧感あってジェイソンみたいで怖い〜と思ってたら早々に中身が気の弱いJKになってて爆笑w
ヴィンスの女の子演技はコメディ俳優の強みを活かしている感あって最高に楽しんだ。走り方かわいいww
ミリーの好きなイケメン(心もイケメン)と両想いになった車中でのキスシーンは必見!

対して中身だけ中年殺人鬼になった美少女キャスリン・ニュートンも入れ替わる前と後でガラリと変化するキャラクターを見事に表現していていい!『バッド・ティーチャー』や『名探偵ピカチュウ』でお見かけしていた女優さんだけど今回はまた新たな境地を拓いていて素晴らしい役者さんだ。
ミリーチョイスの服装はやや地味だが染めた金髪の美少女なので劇中のいじめられるイケてない女設定とちと食い違ってる感はあったがw


また、明らかに"13th Friday"なロゴや過去のホラー映画のオマージュもチラホラ見受けられて映画愛に溢れていていいね。
わかる人にはわかる『シャイニング』の「Go check it out!」なシーンはほんとニヤニヤした(笑)みんなシャイニング好きね。わかるよ

ホラーお約束のシーンにちょっと捻りを加えたりアイディアに富んだ殺し方をしてみたり、過去作のオマージュだけにとどまらない味を加えてあるのもこの監督の良さのひとつだ。
アクション映画と同じでアイディアあるシーンを撮るのも監督の腕の見せ所よね。
"ブッチャー"の身体になったミリーが逃げるみんなに事情を説明しようと追いかけるシーンが完全にホラーだったり逆にミリーの身体になった"ブッチャー"がパワー不足で思うように殺せないシーンはありそうでなかったアイディアかも。



作品と直接の関係はないがAmazonプライムビデオ版は字幕がやや早く表示されしかもだんだんズレがひどくなっていく謎仕様なので注意!
中盤で約3秒、終盤は約5秒半くらいフライングしているので観ていてとても疲れた…
アマプラの字幕は最近ホントどうしちゃったんだろ
Jonayama

Jonayama