Tラモーン

ザ・スイッチのTラモーンのレビュー・感想・評価

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
3.8
ホラーチャレンジ第15弾は『ハッピー・デス・デイ』ぶりのクリストファー・ランドンのホラーコメディ!これももうホラーじゃないか…笑。


殺人鬼"ブッチャー"(ヴィンス・ヴォーン)は地元ブリスフィールドで語り継がれる伝説の殺人鬼。高校生4人を殺害し豪邸に保管されていた「ラ・ドーラ」という短剣を手に入れる。一方、ミリー(キャスリン・ニュートン)はブリスフィールドで暮らす冴えない女子高生。1年前に父親を亡くし、その影響で酒浸りとなった母を気遣う日々を送っていて、内気な性格から学校でもイジメられ気味。そんなある日、ブッチャーがミリーを襲撃したところ「ラ・ドーラ」に秘められていた力で2人の肉体と精神が入れ替わってしまう。50代男性(職業:殺人鬼)の身体になってしまったミリーは自分の身体を取り戻せるのか!


冒頭の"Wednesday The 11th"(バーン!)からして「あ、コメディだ」となるくらい清々しいホラーコメディ。ブッチャーのルックスがまんまジェイソンなのも清々しい。裕福そうな高校生カップル2組が殺されそうな雰囲気満載でちゃんと殺されるんだけど、そこはブラムハウスらしくめちゃくちゃゴアに殺される。便器と便座で殺されんの絶対嫌だなぁ。

次の日ようやく主人公のミリーが出てくるんだけど朝食のシーンと、ほんの少しの学校のシーンだけで彼女が抱える悩みを端的に表現しちゃうの上手い。
アメリカの高校生のイケイケ女子ってなんであんな意地悪なんだろうな。あと『search/サーチ』でもおんなじような描写あったけど、学校で不幸があるとイケイケ女子たちがこぞってSNSで友達ヅラして泣きながら動画あげるのなんなん。本当嫌なやつら。

いよいよミリーが襲われて身体が入れ替わってしまう次の日の朝。目覚めたブッチャー(ミリー)が鏡で自分の姿を観て悲鳴を挙げると同時に"Friday The 13th"(バーン!)のとこめちゃくちゃ笑った。ヴィンス・ヴォーンの女の子挙動最高やんけ。

ブッチャーの肉体になってしまったミリーが身体がデカくて木に頭ぶつけたり、友達2人に信じてもらうために踊ったりいつものハイタッチしたり、ヴィンスおじさんの挙動がいちいち可愛くて笑える。

"立ちション、やば!"

ミリーの身体で悪いことしようとするブッチャーが女の子のか弱い肉体のせいで上手くいかないのは妙にリアルだったけど、先生丸ノコでいったったとこはグロ過ぎて笑っちゃう。
でも中身がブッチャーになったからって急に赤のライダース着るかね。だってブッチャーのときはダルダルの黒Tやったやろ、とツッコむのはヤボか。

入れ替わってからはとにかく可愛いおじさんと仲間たちのドタバタを楽しむって感じかな。目新しい展開は無いけど、母親との試着室での会話とか、ブッカーへの想いとか、肉体的に強い殺人鬼になったから強くなれたような気がして言葉に出せたのは素敵だった。キスシーンはニヤニヤしたけど。

あとはミリーの友達2人、特にジョシュ(とお母さん)がいい味だしてた。

"黒人とゲイじゃ絶体絶命!"
"あなたに限ってそれ(ストレート)はないわ"

時計の伏線回収と、やっとこさ可愛い女の子のキスシーンで終わりかと思いきや、ラストで一気にホラー感持ってくるのはズルい。ハラハラしないで観られる映画だったのに最後に怖がらせんなや…。からの爽快なラストシーン素敵でした。


キャスリン・ニュートンは『ベン・イズ・バック』でルーカス・ヘッジズの妹役で出てたのが可愛かった印象があるけど、やっぱり可愛いな。個人的には入れ替わる前の髪を下ろしてるときのほうが好き。
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