社会のダストダス

恋人はアンバーの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

恋人はアンバー(2020年製作の映画)
3.5
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最近、家から歩いて行ける場所に発見したミニシアターで上映されていた作品。少し前に公開されていたけど、その時はそれなりに遠出をしないといけないのが億劫で見送っていたので好都合、Filmarksでも好評な模様だったのでそのうち観たいとは思っていた。

90年代のアイルランドの保守的な田舎町、自身がゲイであると気付き始めているものの、父の後を継いで軍隊に入り男らしくなろうと考えているエディと、田舎町を出て自由なロンドンに引っ越すことを夢見るレズビアンのアンバー。二人は周囲に性的嗜好を悟られず穏便に生活するために、カップルを演じて高校卒業までやり過ごそうとする。

アイルランドの高校生活が予想以上に修羅の国。周りにはヤることを考えているか、ヤってる最中か、ヤった後の人しかいない。映画館で後ろの席のカップルズが全員行為の真っ最中という地獄絵図、オラの街ではそんなことは無いが、もしかしてこれが海の向こうの映画館の世界標準なのですか。

エディとアンバーのあいだには当然恋愛感情は生まれないけど、閉鎖的な環境でのお互いの生きづらさ悩みを真に理解できる友達以上の戦友ともいえる存在となる。頑なに自分のセクシャリティを認められないエディはアンバーを傷つける言動もとるけど、皮肉で返しながらも石を投げながらも最後は受け止めるアンバーがかっけぇ。

最近ネトフリのドラマ『セックス・エデュケーション』をチマチマ観始めているのだけど、まさにアイルランド版といったところだった。自分が学生時代、周りがこんな性獣ばっかりじゃなくてよかった。