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しろばんばのnagaoshanのレビュー・感想・評価

しろばんば(1962年製作の映画)
4.1
滝沢英輔監督作品!


日本映画名作選⑦

井上靖原作のこの物語は学生時代に教科書や文庫本で読んでいたがすっかり忘れていた。
井上靖の自伝的小説。

秋から冬にかけて子供の頃遊んだ後の夕暮れに、急いで自転車で帰っているとハアハアと呼吸する口の中に、空中で大量の群れで浮遊している虫(しろばんば)が飛び込んできて大変になった記憶が蘇った笑(^^)

大正時代の伊豆を舞台に本家の曽祖父の妾だったおぬい婆ちゃんと洪作の2人は本家の隣の土蔵で暮らしていて、近所の悪ガキ達と川遊びなどして楽しく暮らしていた。

本家の人達とおぬい婆ちゃんの関係性や、洪作の両親は名古屋で暮らしていて、どうやら本家おぬい婆ちゃんに幼い頃預けられていることがわかってくるのだけど、ある日本家の娘で洪作の叔母にあたる美しい、さき子が洪作の小学校の教師として帰省してきた…

本家の複雑な家族の関係性やさき子へのほのかな恋心、出会いと別れを洪作の成長と共に、美しいモノクロで描かれる物語。
脚本に木下恵介監督が手掛け二十四の瞳を思わせる叙情性が素晴らしい(^^)

おぬい婆ちゃんを演じる北林谷栄さんはこの頃からお婆ちゃん演技が板についていたのかと感心するくらいに上手いし、宇野重吉演じる校長や、何と言っても芦川いずみさんの美しさが眩しすぎる😊
この頃の日活作品は本当に良いですね〜

良か映画!
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