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『告別』に投稿された感想・評価

大林宣彦監督作品。原作は赤川次郎さん。峰岸徹さんなどのキャストが出演。ある日、過去とつながる電話BOXが出現したことをきっかけに、峰岸徹さん演じる小坂勇一が過去と現在に向き合うSFファンタジー。大林監督らしいノスタルジックさを感じられるし、人の「死」と向き合うという点やファンタジーである点などから、同じく赤川次郎さん原作で大林監督作品の『あした』を連想した。あと、この作品の後に製作された『なごり雪』を彷彿ともさせられた。全体として、大林監督作品の中でも、かなり観やすい作品。ただし、ラストの「お父さんと2人で裸になってお湯にざぶざぶ入ってお風呂に入ろうな!」みたいなセリフのあたりとか、ちょっとロリコン臭がした。あと、「今日は生理なの。もう恥ずかしがる年頃なったの。もう大人なの。」みたいなちょっと気持ちの悪いくだりは『あした』を思い出した。それを除けば本当に変なシーンもなく、みんなで楽しめるファンタジー作品。やっぱり上記のようなちょっと気持ち悪いところを含めての大林作品だし、良い作品だった。
敬愛する大林宣彦監督が赤川次郎原作「長距離電話」を、2000年12月に放送が開始されたBSデジタル放送用にデジタル・ハイビジョンでテレビドラマ化した作品。所有するDVDで久しぶりに再視聴。映像はテレビドラマ的だが、内容は映画的。
風采の上がらない中年男の小坂勇一(峰岸徹)、ある日山道で見つけた電話ボックス、そこにあった古い電話帳にかつての親友の若井太の番号を見つけ電話して、30年前の過去と繋がっていることに気づく。そこから忘れていた初恋の二神幸(勝野雅奈恵)との初デート、それに関係する悲劇などの過去の記憶が蘇り始める。
現在と過去を行き来する、あるいは過去の悲しい記憶や心の残りを描いた大林作品によくある設定で、「はるかノスタルジィ」、「なごり雪」などいろいろあるが、本作は、過去の悲劇や心残りを描きつつも、現在を肯定的に捉えるところがユニーク。
他作品と比較しながら鑑賞するとなかなか楽しい。配信やレンタルなど、なんらかの形で視聴できるようにして欲しい。


[ここからネタバレを含みます]


勇一、太、幸の関係性が他作品とは異なり、やや複雑。勇一も太も幸に恋しているのだが、幸は勇一に恋しているように見えて、実は太に恋している可能性が仄めかされる場面(幸と勇一の会話で、幸が太と二人でいると胸が苦しくなると言う)がある。まだ幼過ぎて、自分の気持ちに気づけなかったのだろうか。それが幸も太も不幸にしてしまうのは悲しい。
また、勇一が最後に、幸を救えるかもしれない行為を選択し、直後に、それが妻と娘を不幸にする選択かもしれないことに気づき、幸を救えるかもしれない選択を取り消す。
その結果、勇一が家族と幸せに暮らしていく形で、一見ハッピーエンド。
だが、それはつまり、幸を再び死なせてしまう行為でもあった。これは重い。誰にも知られることはないとしてもその選択は幸にとっては残酷なものだった。なんとも難しい、考えさせる結末。
亜留
4.0
原作「長距離電話」を読んだということでもう一回観てみよっと。過去にこだわって、ああなればこうなったとかいう空想ばかりしていると目の前にある大切なものが見えなくなることを教えてくれる作品。

赤川次郎は推理小説が一番有名だろうけど、俺はこういう親しい人の死を克服する話や過去と向き合う話のほうが好きで、それらを映画にしてくれた大林監督には感謝。