偶然や運命をテーマにした恋愛映画がたくさんあるけどいくらなんでもそこまですれ違いますかというぐらいすれ違いまくりで非常にじれったくてハラハラしながら観ていた。 劇中にも出てくるポーランド出身の、ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩が生かされてる。 「二人は信じている 突然の感情によって結ばれたのだと そう信じることは美しい でも気づかぬことはもっと美しい 知り合うまでは何もなかったように思えるが 通りや階段や廊下で気づかぬうちに 二人はすれ違っていたかもしれない 私は彼らに尋ねてみたい 回転扉でゆき合ったのを? 人込みで「失礼」と声をかけたのを? 間違い電話で言葉を交わしたのを? 答えは分かっている 二人は何も覚えていない 知れば驚くだろう 「偶然」が彼らをもてあそんだと そのころの「偶然」はまだ「運命」ではなかった 「偶然」は二人を近づけたり遠ざけたり立ちはだかったり 笑いをこらえながら傍らへ飛びのいたりしてきた 人生はいつも偶然だらけ 平行線もいつか交わる」 おまけにフーとシャオホンという二人の出会いの邪魔をする子供じみた邪魔者キャラも超強力。 冒頭に出てくるジョンを食べようとした女はどこにいったのとか行き当たりばったりで色々と回収できていないポイントもあるけど好きだ、この映画。 最後の最後は会えるというのはお決まりだけど、ハリウッドでもここまではやらない超無理矢理で強引なありえない笑撃のラストに面食らった。 ここまでくると清々しい。