マーフィー

ポプランのマーフィーのネタバレレビュー・内容・結末

ポプラン(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2022/01/15観賞
監督サイン入りのパンフレットも手に入れました。

映画館を出たらすぐにトイレでイチモツを確認したくなる...とまではいかなかったものの、面白い映画でした。

随所に散りばめられる小さい笑いを楽しみながらも、
「イチモツ探し」というふざけた旅を通して、主人公田上が自分の過去と向き合って、精算していく物語。
人には誰でもイチモツ探しに出たい過去があるとは思う。
いっそイチモツ探しという名目があったら向き合えるのに...ということもあるかもしれません。
以下思ったことをつらつらと。


『カメラを止めるな!』『スペシャルアクターズ』のキャストが出ているのもたまらないところ。
でも大沢真一郎ってどこで出てきた?それだけわからなかった。パンフ見てもわかんないし…。

イチモツと戦う?シーンですが、
ほぼ皆川暢二の一人芝居になるので、すごくシュールな撮影だろうなと思った。
求められる謎の演技力。
いやまあ作品全体を通してほとんどがシュールな撮影の連続だったと思いますよ。だって題材が意味不明なんだもん。

田上は徐々にギターケースの扱いが上手くなっていってたような…?最初はドアにぶつけたりしてたけど、実家では慎重に玄関に入れてたような?

ポプランの会の説明会のシーン、めちゃくちゃ『スペシャルアクターズ』のムスビルっぽい雰囲気があった。
あのよく分からない新しい言葉をどんどん投下していく感じ。めちゃくちゃムスビルっぽい


元嫁のいる場所でのポプランとの対決。
コミック創世記事務所でのシーンから、「あーポプランとは痛覚が繋がってるんだなあ」と勝手に学習してたのに、このシーンでは痛がる様子がなかったので、なんだそうじゃないんだーと思ったところ…
なるほどそういうオチなのね。そら痛がらないわけや。
その辺の表現だったり、ポプランが口に入ったことが、全部この戦いのオチに回収されるとは…。

そして元嫁の民宿で食事するシーン。
実の娘が帰ってきてなんとなく会ったことあるとは感じるけど、元嫁は父親とは説明せずに…というのがなんとも切なかった。
いやあどう考えても田上が悪いんだけど、自分の娘に親として接することができないなんとも言えない表情がね…。
いやまあそもそも父親失格なんですけどね。
そんな色んな思いが巡って切なかった。
民宿をあとにする時に、娘が出てきて手を振っていたのは、現夫が行かせたんかね…?優しい男性だったからやってそう。

5日めにお母ちゃんと会う時、田上の服とお母ちゃんのエプロンが花柄なのがなんか親子感があっていい。
偶然なのかはわからんけども、田上がメインの服をスーツから着替えて選んだものと、お母ちゃんが普段来ているものがお揃いの柄というのが、何年あっていなくても親子なんだなと思わされる。
普通はお母ちゃんと息子がファッションセンス一緒って恥ずかしいんですけどね!なんだろねこれ!!

田上のお気に入りの漫画『スペシャルジャーニー』
パンフレットでこの漫画のストーリーを見た限りでは、田上はきっと若い頃に読んだこの漫画も後押しになって、妻子を捨てて上京という決断に至ったっぽいんだけど、
その頃の「自分が誰か思い出せ」というセリフと、
ポプラン探しでコミック創世記事務所や実家で見た「自分が誰か思い出せ」は意味が全く変わってるのでは?と思います。
見る人やそのときの状況によって、刺さり方が違う。そういうところは漫画の奥深さだよなと思う。
冷静に考えるとここすごい仕掛けだと思う。

最後のセピカル状態のポプランを股間に戻すシーン、
本当に馬鹿だなと思った(褒め言葉)。
めっちゃ馬鹿馬鹿しい。最高。
セピカルのことを知った時、
「クライマックスはセピカル状態のポプランを追いかけて必死に捕まえるシーンなんだろな」となんとなく思っていましたが、
そこじゃなくてそっちにセピカル状態を使ったか笑
最強だったわ笑


以上、面白いながらもいろんなことが詰まった、
ただの大クセ映画とは言い切れない作品でした。


最後にひとつだけどうしてもツッコみたいところを…。
「説明会」の受付で「失礼します」となぜか確認のため触るシーン。
あのさ...ゴム手袋って交換しないと意味ないから!!!
守られるの受付の人だけ!!!!!
ひどい感染対策!!!!!!
マーフィー

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