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パリのどこかで、あなたとのbadhabitのネタバレレビュー・内容・結末

パリのどこかで、あなたと(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

2021.1.1 二回目鑑賞後、やっぱり大好きな映画で人生ベスト入したのでスコア加算。
人生は何だって起きるの、前向きな筋書きを描こう。


冒頭からオシャレ過ぎて、パリの街並みが美し過ぎて、画が綺麗過ぎてもうそれだけで100点満点!と思ったが途中からネコチャンカワイイッッ!!!!しか考えられなくなった。真面目に感想を書こうとしても「ネコチャンカワイカッタッッッ!!」が飛び出してきて邪魔をする。ネコチャンカワイカッタ。ただネコチャンがいるのに窓を開けっ放しにするなーーーーっっっ!!!ネコチャンの前で煙草を吸うなーーーーーっっっっ!というのは気になった。脱線。
ジャンルとしてはラブストーリーになっているけど、もっと広義で、生きにくさからの解放や、喪失から再生へのグラデーションを描いたセラピー映画のように思えた。
テーマがポジティブな上、眠れない夜にネコチャンの動画を観て過ごしたり、ひたすら無作為にマッチングアプリでスワイプし続けたり、Facebookの登録は億劫だったり、無意味とわかりながらSNSに出会いを求めてしまったり、主人公二人の行動に共感が止まらず愛おしくて、鑑賞中ずっと口角が上がりっ放しだった。メラニーもレミーも幸せになろうね……わたしも幸せになるからね……。繰り返される、あなたには生きる権利があり、愛される権利があり、幸せになる権利がある、というメッセージに心が癒されていった。
ハッピーオールドイヤーとこの作品を、前日譚と後日談と表現してる方がいらっしゃったけど、まさにその通りで待ち侘びた予告のシーンがようやく訪れた瞬間心の中ではスタンディングオベーションだった。ラブストーリーというより、上手く出来たプロローグという感じだ。
個人的にはハッピーオールドイヤーも今作もセラピー映画だと思っている。なお効果には個人差があります。
フランス映画って起承転結がなだらかだから感情がブンブン振り回されずに穏やかな気持ちで観られるなぁ。あと、何となく日本の映画って人物のアップが多いんだなーと思った。
あとこの映画嫌なやつが1人もいない。エスニック食材店店主いいキャラクター…コシヒカリにはテンションが上がった。音楽のチョイスも最高なんだよなぁ。
SNSの出会いは手軽過ぎる、自分に意味のある人と出会いなさい、という言葉だったり、部屋に来たことが性交の同意ではないことだったり、何気ないシーンに込められたメッセージもいい。

人生、何でも起きるし、人間関係は始まったり終わったりするし、その度に立ち止まったりするけど結局は自分の問題は自分で解決して、自分を愛して、人生を信じることが大切なのだ。

今月はポジティブな気分になれる映画に続けて出会えて嬉しい。
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