じーふい

映画 太陽の子のじーふいのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
2.0
日本人の原爆研究者という興味深いテーマを扱っているにも関わらず、退屈な映画。
突然人物たちが持論を述べ始める世界観で、議論になっておらず、兵器研究者としての葛藤を描きたかったのだとは思うが、十分とはいえない。
恋愛なら恋愛、青春なら青春、戦争なら戦争をしっかり描いて欲しかった。魅力的な役者を揃えているのにも関わらずそこまで心を動かされるシーンがなかった。玉音放送ではなく、原爆投下のニュースに研究者が落胆するのは唯一いいシーンだったと感じた。ネタとしては、おにぎりを食べる謎の長回しが印象的ではある。
ドラマ面では足りない点が多くあり、ドキュメンタリーの面ではどうかというと、何もない。説明も何もないまま最後に京都大学の写真だけ数枚流して終わってしまった。実に残念だ。
では何か教訓めいたものを伝えるかといえばそれもない。原爆投下を正義と教えられるアメリカ人と被爆国である日本人の認識の差は重要な問題であるが、それも最後に顔も映らない英語ナレーションと主人公の軽い会話で済ましてしまい問題提起すらできていない。

映画の着地点はどこにもなく漠然としており、何を撮るためにこのテーマを選んだのか不明であった。
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