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映画 太陽の子のmacachinekeのレビュー・感想・評価

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
5.0
良作です。美しい映画。

コロナ感染拡大の影響か上映回もかなり少なくなってきたので慌てて先日2回目を観に行きました。

たくさんの人に観ていただきたいので
慌ててレビュー書きます😊

戦争映画はやはりこの夏の時期に公開されることが多いですが、この作品は少し違う角度から描かれた作品です。
戦争のことを知る人がどんどんいなくなる中、どういうことがあったのか、を知ることは日本人として本当に意味があることと思う。

戦時下で日本でも原子爆弾開発を行われていた。

その科学者たちと、その家族をテーマにした作品です

戦争映画は苦手という方にもおすすめしたい美しく透明感いっぱいの作品です。
これって戦時下の日本だけれどもいわゆる戦争映画とは違う。
テーマがテーマだけに美化するわけにもいかないけど、青春群像劇というだけあって瑞々しく儚くひたむきさを感じつつ、日本の美しい部分と、反戦メッセージもしっかりこめられてます。

ドンパチ部分ではなくて科学者の卵たちが、日本の未来のために原子爆弾を開発する。
それは現代の理系の学生たちと何ら変わらず追求する姿勢と作っているものに対しての苦悩だとかなんともひとつの視点からだけではないところがこの映画の魅力でもあります。

海外を意識し、ハリウッドスタッフも参加した作品なので戦時下の日本にも関わらず、とてもハリウッドの雰囲気を感じさせます。映像と音楽がそうみせてくるので、私はとても不思議な感覚になりました。

なんとも言えない清廉さがあり、役者の皆さんの芯のしっかりしたブレない演技が心をうちます。

個人的には春馬演じるの裕之さんに釘付けで
しっかり裕之さんを演じていて心の琴線がぎゅいん、ぎゅいんと音をたてるような美しさです。上手い、本当に裕之さんでした。

なんといっても柳楽優弥くんが素晴らしい。
原子爆弾の研究に魅せられた研究者の狂気と紙一重の部分と素朴で不器用な感じをお見事!という演技をみせてくれます。
有村架純ちゃんもしかり。未来を見据えて、しっかり立っている、そんな芯の強いたおやかな世津は架純ちゃんでないと演じられなかったと思う。

この家族は比較的余裕のある家族なんだろうなー、とにかく清潔感のある人たちです。
お母さん役の田中裕子さんの演技はもうなんですかね、あれは、語彙力なくて申し訳ないけども国宝級ですよ。暖かいのに鋭いんだよね。

一度観て、ノベライズ本を読んで、再度観て、さらに深く知る。 何度も観るともっともっとわかる。黒崎博監督は私はドラマメインで脚本家としてとても好きな人ですが
やはり脚本いいですね。

風景も美しいし、食も、わあ、も声が出るような美味しそうなものです。
おにぎりシーンは長回しで実に秀逸。

アメリカ公開も決まったみたいで
これは本当に世界に堂々と送り出せる良作だし、たくさんの人たちに観ていただきたい。

『いっぱい未来の話をしよう』

そう思えて未来の話を大切な人たちとしたくなるような映画です。
劇場で是非。
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