よしくん

映画 太陽の子のよしくんのネタバレレビュー・内容・結末

映画 太陽の子(2021年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

軍隊の要請で、京大の物理の研究室で核分裂を起こすウラン235を遠心分離機で抽出し、それを原子核爆弾として作ろうと試みる。

戦争で兵隊がバタバタ死んでいっている中で、科学者としても何か役立つことを早くしようという声も出る中で、しかし別の学生は、科学者が武器を作って良いのかと問うものもあった。だご核分裂によって人類のエネルギー問題は終わる、この戦争はエネルギーが原因で起きている、それを解決するためにやるのだ、と教授は学生に大義名分を与える。

でも教授は、先に原子核爆弾を作ったものが世界の流れを決める。我々がやらなくても、アメリカがやる。アメリカがやらなければソ連がやると見抜いていた。

そして広島に原爆が落ち、長崎に落ち、次は京都という噂が持ち上がる。主人公は、比叡山に登り、原子核爆弾が爆発する瞬間を見たいと言い出し、母と娘には綾部に疎開するように勧める。だが自分達だけ逃げることに抵抗する母は、科学者を子供に持った母としてこのままここに居ると決める。

太陽と同じ核分裂。それは巨大なエネルギーをもたらす。それが太陽であればこの地球の生物を育むが、その地球上で爆弾に応用する是非は、仮に日本がそれに勝っていたら、試算では20万人も30万人も殺せる爆弾をサンフランシスコにもし落としていたら、彼らは科学者としてはい平常心でその後も生きられただろうか?

開発競争に負け、戦争に負けだが、それは科学者として必ずしも悪い結果ではなかった筈だ。
よしくん

よしくん