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不都合な理想の夫婦のイシダコのレビュー・感想・評価

不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)
4.0
傑作。ショーン・ダーキン、やっぱりめちゃくちゃウマい。『ローズマリーの赤ちゃん』『エクソシスト』『シャイニング』 といったクラシックなホラーは現実的な精神疾患を超現実的に描いたものとしての見方をも可能とさせるが、逆に本作には現実的な出来事をどれも超現実的なホラー的それとして見せきる力も備わっている。その意味で意外と『トランストリップ』と通じる印象も受けた。あとは、ユン・ヨジョン先生が現れない『ミナリ』。夫の勝手ひとつで新天地に付き合わされる家族、雑に扱われる長女、そして家族構成といった点に共通性が見受けられる。守護的な存在が現れないのだから、家族はひたすらに不幸の一途を辿っていく。レーガン政権下の80年代半ばを舞台としているが、これはマチズモへの批判的な目線が肝となる本作において、とてもしっくりとくる時代設定が為されているように思えた
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