南森まち

シカゴ7裁判の南森まちのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.0
ベトナム戦争下の民主党大会で起きた暴動に関する法廷劇。
話はテンポよく進み、見る者を飽きさせない。一方、冒頭の状況説明と登場人物の量が多く、頭の整理をすることが大変。
8人の被告人の背景が異なるために内輪もめを繰り返すなか、裁判は進み次第に不利になっていく...という論争を中心としたストーリーは、皮肉の効いた台詞もあいまってとても楽しい。

見終わってあらすじを振り返ってみると、被告団の最後の法廷戦術もあまり誉められたやり方ではなく疑問に思える。
最後のクライマックスもBGMや演出で盛り上げていましたが、首をかしげる人もいたのでは。

製作者のWWII やベトナム戦争に対する史観がちらちらかいま見える、プロパガンダの要素をほどほどに含んだ娯楽作品。史実を「もとにしている」が、恣意的な演出や脚色を含んだ内容なので、様々な視点で歴史を振り返ることがお勧めです。