マタロー

シカゴ7裁判のマタローのレビュー・感想・評価

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)
4.3
シカゴでの暴動を扇動したとされる7人の裁判の実話を元にした作品。

ベトナム戦争真っ最中で反戦運動が盛り上がってきた時期の事件で、当時の政府としてはどうしても潰したかった勢力への裁判なので何としても有罪にしてやろうという意図を感じる。
ブラックパンサー党潰しのために無理矢理ボビー・シールを捻じ込んだり、被告に同情的な陪審員を降したり、証人の証言を無視したりとにかく酷い。
裁判を取り仕切る判事も不都合があればすぐに法廷侮辱罪を適用しようとするクソさ。

被告側が一枚岩じゃなくブラックパンサーのとは共闘しなかったり、理想は一緒でも手段が違うために相容れなかったり現実ネタは良い。

サシャ・バロン・コーエンの振り幅や少しの時間で圧倒的説得力をもたせるマイケル・キートンが良かった。
でも、一番良かったのはクソ判事を演じたフランク・ランジェラ。本気であの判事には怒りを感じたくらい良い演技だった。

ブラックパンサー党の扱いや、警官や国家への不審など、BLMやその他の社会運動にもつながる要素満載なので今観るべき映画だと思う。
マタロー

マタロー