まる

ノクターンのまるのレビュー・感想・評価

ノクターン(2020年製作の映画)
3.2
チューニングのような不協和音がザワザワとした不快感をより一層増す。
クラシックの世界について知識はほぼ皆無だが、芸術という孤独の世界、人と比べられ点数化される世界に住む思春期の女学生の心の闇を抉りだす映画だ。

悪魔に魅入られ、悪魔の示す通りに無意識にもことを進めていってしまい、その儀式が完成していくわけだがさすが悪魔というだけあって人間の心の闇に取り入り、唆し、人間関係を壊していく様は現実的で好き。
音楽を愛し、全てを捧げた女学生の必死さとまだ自分はこんなもんじゃないんだと言う気概、そしてラストの高低差が絶望的で良い。
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