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ノクターンのせのレビュー・感想・評価

ノクターン(2020年製作の映画)
3.4
悪魔との契約も厭わない。

"ほんの一握りのピアニスト"になるためには。

ノクターン(nocturne)...夜想曲。

ノクターンというと真っ先にショパンが頭に流れます。有名ですよね。ちなみに今聴きながら書いてます。

夜を思わせるロマンティックなメロディ〜〜が特徴で結構好きです。
(ショパン✖️夜っぽい曲なら、「子守唄」が1番好きです)

なぜ映画がこのタイトルなのか?
がよくわからず笑 
ノートに書いてあった儀式ともとれる出来事が夜に起きるから?でも全部じゃないし。


双子の姉妹がピアニストになるために競い合っているが次第に姉の方が評価されていく。
主人公は姉への嫉妬が募る中であるノートを拾う。
それは悪魔との契約の始まりだった。

ノートの見た目とか「デスノート」みたいで可笑しい。主人公、新世界の神になるのか。

悪魔とか死神がニンゲンを誘うのはノートしか手段ないんかな?笑

結局悪魔との契約で彼女はとても上手くなったのか?あまりそれがわかるシーンがなく、ちょっとな〜。運は良くなった感じはありますね。

悪魔との契約には血が必要と聞いたことがありますが主人公の急な月経による出血がそれを物語ってます。

ラストの血を流した主人公の死体は、彼女の人間としての魂の死、良心の死や犠牲にされた人間らしさを表していて、実際に身体は素晴らしい演奏を行ったのだろうとは私は思うが、どうでしょう。

彼女は本当に死んだと考察されている方もいますが私は違う派。
だってあの死体、
不自然なほどに通る人は誰も見てないから。


芸術の道に限らず、あらゆる分野でその第一人者やスターになるのはあらゆる犠牲を払う必要がある、というのをテーマにした作品でしょう。

本当の天才とは一般人が学校に通う段階でもうすでにその先に立っている。
冒頭から何度も意味ありげに映されるあの廊下の絵は幼少期のモーツァルトでしょうか?
音楽の神とも言えるモーツァルトは3、4歳ごろから人前で演奏していたと聞いたことがある。
本当の天才と、凡人。
自分は凡人か?もう結果は決まっているのか?葛藤を続ける主人公は元々不安症を患っており、姉と比べ気弱な印象があるが、だんだん嫉妬心丸出しで気ぃつよ女子に成り果てている。

勢いがないと何者にもなれず終わってしまう、と言う恐怖。
いいじゃんね、何者にもなれなくても。

私も3歳頃からピアノを習っていましたが、中学生くらいでやめてしまいました。スパルタ教育が嫌で兎に角楽しくなかったからです。いまだに鍵盤を押す指が目から落ちてきた涙で滑る感覚を覚えています。....今考えると相当で草。
クラッシックを聴くのは変わらず大好きです。

主人公の女優の顔つきや暗い廊下のシーンの撮り方、悪魔に魂を売ると言うテーマから、
ビリーアイリッシュや彼女の曲の「bury a friend」の歌詞とMVをどうしても彷彿とさせます。

怖いシーンはほぼないですが、考察しがいのあるダークな映画が好きな方にはおすすめです。時間も短めだし!
せ