Jimmy

愛のまなざしをのJimmyのレビュー・感想・評価

愛のまなざしを(2020年製作の映画)
5.0
渋谷ユーロスペースにて鑑賞🎥
この映画のチラシに記載されていた「鬼才・万田邦敏監督による愛憎サスペンス」という惹句を見て「なんか面白そう…」だと思って観てみたら、メチャメチャ面白かった。
今年(2021年)の日本映画ベストテン入りは確実。

この映画の成功は、プロデューサーも兼ねている杉野希妃さんが主演して怪演とも言えそうな見事な存在感、そして「愛に狂っているのは分かるが、何を考えているのか…???」という奇抜さが輝いていたからではなかろうか。

もちろん、仲村トオル・斎藤工・中村ゆり・片桐はいり なども上手く絡み合いながら展開される物語となっているのは万田邦敏監督の手腕によるものだと思う。

物語は、妻を亡くしたメンタルクリニック医者(仲村トオル)の診察を受けに来た綾子(杉野希妃)は、最初は医者と患者だが、そのうち愛し合うのだが、医者はいまだに亡くなった妻(中村ゆり)を忘れられない。それを映像として医者と触れ合うようにして登場させるあたりの場面も見事。
そして、だんだんと綾子の虚実入り混じる言動が医者を翻弄することになっていき……といった面白さを見せる。

この映画、一部、ヒッチコックの『めまい』を想起させるようなところもあり、自分としては意外さに翻弄されて、それが快感と思える映画であった。

傑作!
Jimmy

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