しろくま

天外者のしろくまのレビュー・感想・評価

天外者(2020年製作の映画)
3.8
2022.11.23/255/図書館DVD
〝この世を変えたい。この日本を。しかしおのれ一人では何もできん。自分が情けなか〟〝一人やない。おるやないか。ほらここに。前を見い。もうすぐ日本の夜明けじゃ〟

激動の幕末から明治初期、日本の未来のために駆け抜けた男たちがいた。五代才助(後の友厚、三浦春馬)と坂本龍馬(三浦翔平)。〝お前とわしとで日本を変えて見せるぜよ〟〝誰もが夢を見られる国にするんじゃ〟攘夷か開国かで揺れる日本で未来を見据えた二人が、高い理想を持って、新しい国づくりを目指す。

本作は、彼ら二人と志を共にする伊藤博文(森永悠希)と岩崎弥太郎(西川貴教)らによるわちゃわちゃとした青春群像劇。おいしそうな牛鍋をつつきながら日本の未来を語り合うシーンがいいね。〝地位か、名誉か、金か、いや大切なのは目的だ〟という五代友厚の言葉通りに、彼の描くビジョンは大きい。先行き不安な商人たちに向かって、思いを伝える五代友厚の熱弁が、商人たちを奮い立たせ、経済の復興を成し遂げていく。

〝青天を衝け〟でディーン・フジオカさんが演じた数々の事業に手腕を発揮するクールな経済人としての五代友厚もよかったが、圧倒的な熱量で演じた三浦春馬さんの五代友厚も魅力的。
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