ししまる

いつかの君にもわかることのししまるのレビュー・感想・評価

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)
4.0
シングルファーザーである33歳のジョンは不治の病で余命わずかとなり、4歳の息子マイケルのために里親の相手を探すが、しっくり来る相手がなかなか見つからない。
ジャケ写が秀逸で、見る前から涙腺崩壊スタンバイ。しかし、お涙ちょうだいではなく、迫る死期、父子家庭の実際、幼い子どもに死の意味をどう伝えるか、周囲の援助、困難な里親探しなどいろいろ考えさせられる話だった。
ジョンとマイケルのほほえましい日常生活が淡々と描かれる一方、託したいと思える里親なんて簡単に見つからない現実を突きつけられる。病院の待合室とか本筋には一見無関係なシーンも多いが、これは何を伝えたいのかと何度も考え込んでしまった。
これがデビュー作というマイケル役のダニエル・ラモントが反則級に可愛いい。寡黙だけど笑顔が多く、優しさに溢れたジョン役のジェームズ・ノートンも素晴らしい。
本作に登場した多数の里親たち。私もあの人を選ぶと思う。絶望の中に見出だした希望。いつかマイケルは分かってくれるだろうか。
✅メモ
原題は「Nowhere Special」(特別な場所なんてない)。ウベルト・パゾリーニ監督が新聞記事の実話から着想を得た。
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