荷物を乗せた車を運転して引っ越し先へと車を走らせるヒロイン。
前方をノロノロと走る車を追い越した事から、その車の運転手の男から執拗に付きまとわれる…。アメリカ製のスリラー作。
まず冒頭のヒロインの憂い顔や、暗い雰囲気にこの旅立ちが嬉しい物ではない事が伝わって来て掴みは抜群。
ざっくりとしたチャプター形式になっていて、観やすさはありますね。
アメリカの標識などは詳しくないが幅がないあの道では多分、追い越し禁止なのだろうと思う。
そういう意味ではヒロインにも落ち度はあったのかも知れないが、それにしてもそれだけで恨みを買うとか近頃の煽り運転とか「激突」しかりで怖いなぁ…。
この手のお話としては早い段階で犯人が姿を現し、追い越しの件だけでなく色々と揉めるのが珍しい。
ただ犯人に恐怖を感じているのなら、休憩なんてしてないでさっさと引っ越し先へと急げばいいのにとヒロインの行動に疑問点も…。
一見は普通の男で優しそうではあるが、その異常性を隠せておらずヒロインが恐怖を感じるのは上手いキャラクター設定だと思いました。
髭面の役作りもあるが犯人役のマーク・メンチャカさんは若い頃のドナルド・サザーランドさんに似ている。
窮地を長く描く事でその後に繋げたいのは分かりますが、やっぱり犯人と対峙するまでが長かったですね…。
こんな事を繰り返してるヤツなのか、犯人の背景もよく分からず消化不良。
邦題のサブタイトルでちょっとネタバレしてしまっているのもどうかと思います…。
終盤の戦いは必死さが伝わり迫力がありました。
ヒロインを地味にしたりなど、もう使い古された設定の物語にほんの少し新しさを入れて工夫は見られます。
ハラハラドキドキをこれでもかと煽るようなスリラー作が好きな私の好みの作風ではなかったですね。
まとめの一言
「髭が気持ち悪さを醸し出す」