どらどら

サマーフィルムにのってのどらどらのレビュー・感想・評価

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)
4.8
- 映画ってさ、スクリーンを通して今と過去を繋いでくれるんだと思う。私も、私の映画で、未来に繋ぎたい。

なぜ物語は、映画は、存在し
なぜ私たちはその物語を、映画を、見るのか
「他人の話」でしかなく長い時間拘束されるそれを

私たちの生きる世界では
たくさんの人が、それぞれの価値観と時間軸で、
そしてなによりそれぞれの「好き」で動いている
それが重なるときもあれば、交わることがないときもあるけれど
たしかに私たちはここに存在している
その「好き」という感情とともに

映画は、そのことを思い出させてくれる
過去にそのスクリーンに映る一瞬に命をかけた人たちがいて
今、私たちはそれを見ているということ
そして、映画館を一歩出たらまたそれぞれの日々が始まるということ
その奇跡的なまでの美しさこそ、映画の意味だ

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こんなに愛おしい映画に出会えたのは久しぶりだ
なんだか映画を見れば見るほど自分の好きな映画とか、自分が映画を好きになった理由とかっていうのがわけわからなくなってくる
でも、この映画が示す原点回帰は、物語的強靭さとともに僕の心にいつかのあの記憶を呼び戻してくれた

青春×SF×時代劇
伊藤万理華さんが元乃木坂だというだけの理由で去年映画館であれだけ話題になっていたのになんとなく足が向かなかったけれど、これは映画館で- それもミニシアターで- 見るべき作品でしたわ、、、
脚本があらゆる意味で完璧
映画の一回性、斬るという「告白」、好きという感情、そして人生を生きるということ
演劇的な終わり方をするラストこそ、映画にかけられた希望だと感じた

甲田まひる、相変わらず可愛いが彼女こそ実は超ハイセンスなミュージシャンだということをこの映画の視聴者のどれだけが知っているのだろうか?
“California”、めちゃくちゃかっこいいので一回聴いてみてください!!!

そして安定の打率10割俳優河合優実!!彼女出てたら傑作きまりだと思って問題なしですね、、
なんでSF要素が入ってくるのか、ちゃんとビート板という人物の意味を理解していればわかるはず!

伊藤さん、キョドったオタク感がすごい!彼女の身体性を存分に活かした映画でもあり「アイドル映画」であるといっていいと思う(もちろんこの映画が半ばアンチ的に使っているジャニーズキラキラアイドル映画の「アイドル」という言葉とは違う意味)
今後の出演作が俄然楽しみになる好演!
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