いつかきっと失われるこの瞬間へのレクイエム。
想いの溢れ方に共鳴する。
今この瞬間の己を斬って、前へと進む群像たちの、これぞ青春!を観る。
演出、顔の抑え方、そのアングル、全てが的確で新鮮。
ただ、劇中映画の“エンディング”を大胆にドンデン、変えようとする、その途轍もない“キズキ”は、賛否分かれるところ、ですね。
それでも斬る!というラストカットがキまったので、多少もたつく大団円も、キマって幕を閉じる。
『バビロン』(23)のラストの様に、様々な時代劇の名シーンを存分に使えたら、まさしく青春シネマ・パラダイスになったのだろうが、それでも、監督の素晴らしい想いにより、限られたカットと役者達の名“真似”演によって、気分は高揚しました。特に、ヒロイン監督が、室戸半兵衛を一刀に斬るマネは、鳥肌が立ち爆笑。
その、もうすぐ四十郎なる盲の市ヒロイン伊藤万理華は、いつになく力強く、心強く、代表作誕生。