このレビューはネタバレを含みます
メッセージ性もたくさんあり、
さらに個人的に
ワンシュチュエーション映画が
好きなので
(作り手の努力と工夫と力量が
ダイレクトに伝わる気がする)
とても好みの映画です。
未来ばかり考える
保険数理士の夫。
過去ばかり考える
博物館の学芸員の妻。
という夫婦の設定が面白い。
話を通して、
過去に囚われず
未来を恐れず
今を生きろ！
というメッセージが
伝わります。
時が過ぎれば
変わるもの
時が過ぎても
変わらないもの。
目に見えるもの、
見えないもの。
若々しい美は歳を重ねれば
なくなるかもしれない。
人間を若返らせることは
できないから。
ただ、
後悔したこと
やり残したこと
忘れたい思い出、
家族への愛
感謝の気持ち
忘れたくない思い出
は時間が経っても消えない。
個人的に大好きなエピソードは３つ。
死を前にした登場人物。
ひとつは
富も名誉もある
医者と結婚した
美女が
「優しかったが
見た目が悪かった」
と遠い過去に振った
元彼のことを
何度も何度も口にする。
旦那よりも名前を呼ぶ。
もうひとつは
「昔けんかしてた気がするけど、
けんかの内容は忘れたね」
と夫婦が微笑み合う。
もうひとつは
子どもが成長するにつれて
心の変化を口にする場面。
これは監督が
ご自身の子どもの成長を見て、
感じたことだそうです。
体の成長とともに
心も成長する。
若々しくて
痛々しい
自らの青春時代も
少し思い出しました。
本作はそこまで評価が
良くないようですが、
色んなメッセージも感じられ、
考えさせられるので、
好きな作品です。
監督の次回作も
楽しみにしてます。
