とくとみろか

パリの調香師 しあわせの香りを探してのとくとみろかのレビュー・感想・評価

3.6
ひとこと
画面越しだけど、苔むした洞窟の香りが嗅いでみたかった!

感想
上映中になんとしてでも行きたい!という事で、コロナ対策万全でヒューマントラスト有楽町にて観賞。映画のお供はdiptyque のサンジェルマン34 !

ストレスにより鼻が効かなくなり、最前線から遠ざけられてしまった、かつて有名だった女調香師と、人生がうまくいかない運転手が出会って、運命の歯車がまわりだす、というお話。

調香師も運転手も妙齢で、人生の酸いも甘いも経験し、自身に対して自信を失っている。だけどひょんな2人の出会いによって、新たな光を得て自信を取り戻していく。

特に恋愛に発展するわけでもないし、根本的にガラッと状況が変わるわけでもないけど、ラストでほんのりこころが暖かくなる良作。フランス映画らしいオシャレさと、皮肉な笑いも散りばめられていた。

香水の映画なので、もちろん色んな香りが劇中に登場するんだけど、洞窟の匂いを再現するシーンが1番嗅いでみたかった。湿った洞窟の水っぽくて苔むした匂いって、落ち着きそう。苔系の香水が欲しくなった(それ系の香りはメンズラインが多いけど)。実際の調香の仕方を知れたのも勉強になった。

香水を扱った映画は「Perfume ある人殺しの物語」も好き。こちらは、昔の香水やエッセンシャルオイルの製造方法がよくわかる。怖い話だけど、南仏の花咲き乱れる息を飲む美しい風景にうっとりします。
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