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アンダードッグ 後編のtakemeのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 後編(2020年製作の映画)
4.3
初回は東京国際映画祭にて。
公開日を迎え、公開初日と翌日の舞台挨拶で改めて劇場鑑賞しました。
前後編まとめ感想です。

3人のルーザー達それぞれの物語、それを支える女性達の物語が最終的に試合シーンに全て乗っかってきて、前後編共に涙腺緩みっ放しでした。
リング上で闘っているのは選手なのだけど、試合中は3人の台詞が殆ど無い分セコンド同士の闘いがめちゃくちゃに熱い。
ロバート山本さん、松浦さんがとても印象に残りました。
山本さん、ボクサーライセンスをお持ちなのは知っていましたが、トレーナーライセンスもお持ちなんですね。
リアルにセコンド入れちゃうんだ。
成程納得。
正直芸人より役者やった方が良いのでは…と思っちゃったくらい。(なんて言ったら失礼か)

主演の御三方、この3人以外誰が出来る?って思うくらいにはハマり役だったと思います。
森山未來さんは最初から何も心配する事なく安心して見られたし、ずっとどん底噛ませ犬~這い上がりまで浮き沈みの表現が上手い事上手い事。
勝地涼さんも明と暗の使い分けが素晴らしい。
最初は宮木のキャラ苦手かも…と思っていたのが、ボコボコにされながらも絶対諦めない姿がめちゃくちゃカッコ良くて、最終的に1番感情移入してたかも。
そして本格的な半グレ役は今作で初挑戦の北村匠海くん。
実は1番楽しみにしつつも1番心配だったのですが、ただの杞憂に終わりました。
元々、同年代俳優の中ではダントツに上手いなと思っている役者さんですが、今まで映画作品は憂い儚い系の受け身役が本当に多く、それ故最初「今作に北村匠海?」と思った人も多かったのでは。
結論:大村龍太素晴らしかった。
鋭さや不気味さを秘めた空気を漂わせたかと思いきや、父親(これも初挑戦)としての姿は絶妙な幼さも残しつつ可愛い。
希望に満ちている所から突然どん底に突き落とされた後の死んだ目が最高、そこから這い上がっていく目付きもグッとくるものがある。
これ22歳になったばかりで撮影挑んでるんですから、振り幅凄いの一言。

主演3人だけではなく、脇を固める俳優陣も良かったです。
熊谷真実さん、とてもいい味出してたなぁ。

まだ鑑賞券残ってるので、また見に行きます。
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