🐒2024年104本目🐒
なんとなく目に留まって鑑賞。
低評価の嵐だから、駄目なら観るのやめればいいや…くらいの気持ちで観たけど、キャストが懐かしくて刺さりまくったからか、なんてことない馬鹿なシーンも楽しく観ていられたので特に退屈は感じず。
修学旅行の男子中高生みたいな乗りで治験をなめまくった末路にどんな恐怖が待っているのかと思うと、次第に不穏になる空気が余計に不安を掻き立てて思い切り没頭していたのだが…なにしろ一番大切なラストが…………。
治験による恐ろしさ云々よりも、ある意味ヒトコワ要素の方が浮き彫りになってしまっているし、ちょっとビターな青春ものみたいな後味で求めていた着地とはあまりに遠ざかってしまった…
トイレのシーンと唐突にフレームインする男の狂気の表情は本当に恐ろしくてかなり良かったのに…
高円寺の次郎吉や鶯谷の風景など、個人的に若干の思い入れがあったから、生まれ育った生活圏とそう遠くない東京のこの空気感とか堪らなく良かったし…なんかすごく懐かしい。
仲良くなったら気が大きい話し方になっていくあの方の空気感の節々が身内の旦那さんと似通って心当たりがあり過ぎて、次郎吉というワードに重ねて別の意味でも楽しませて貰えた。
古舘さん本当に居そうな人過ぎてツボでした。
水橋研二ってちょっとやんちゃで意地悪そうで、でもなんだかんだで人に好かれるような役柄が本当に似合う。サイコも悪男も似合うけど、今回の役柄なんて特にハマってた。怪談新耳袋や呪怨の影響もあって、水橋研二や堀江慶(本作には出てないけど)のちょっと不純そうなあの空気感を思春期に観てきたものだから、なんかやっぱり刺さってしまう…。
映画としては説明過多な気もするけど…突きつけた真相からさらにその裏で起きたことは想像しやすいし、大森南朋なんかも実はキーマン過ぎてとても良かった。(大森南朋、改めていいお声)
ただもう少し短い方がいい…ちょっと長い
物凄く低評価だけど、90年代を生きた人には懐かしのキャストが揃っていて、今も活躍している方も居ればめっきり観なくなってしまった方も居て、なんだかんだ楽しめるのではないかと思います。
あの頃の僕たちは〜みたいな空気感はこの映画には似合っていなかったけど、今は多くの作品が溢れるフェイクドキュメンタリーのような立ち位置の作品が作られていたとは意外でした。
意外と先駆けで新しいことにチャレンジしていた映画なのではないかな。その部分では感激したけれど、高めておいてパンチのないラストで萎んでしまう気持ちを含めると、とても複雑な心地の作品でした。
同監督さんでセルフリメイクしてるみたいなので、そっちも気が向いたら観ようかな〜