このレビューはネタバレを含みます
ふと目に止まったので、なんの前情報もなく鑑賞。
思いもよらないほど重い内容に途中で見るのがつらくなった。
タイトルの「無聲」、
言葉を上手く話せない聾者の主人公たちと、声をあげたくてもあげられない状況でもがき苦しんでいた加害者・被害者両方の苦痛を体現したタイトルだなと感じた。
憎むべき対象の内情を掘り進めていくと、その先にもっと大きな憎しみの元凶がいたり……。
幼い頃に受けた性的虐待によるグルーミングに苦しむ様子は見ていてすごくしんどかった。
受け入れたくないのに求めてしまう、そんな自分を拒絶したい、その気持ちが新たな加害や自傷行為へ連鎖していくのかもしれない。
圧力に屈せず、真実を追い求める王先生が唯一の光に感じた。
最後、被害者の1人がまた新たな連鎖を生み出してしまうのを予感させるシーンで終わる。
この問題の根の深さを物語っているラストだった。
これが事実を元に作られた作品であるということを忘れないようにしたい。