どんなまだ見ぬ史実や現実を見せてくれるのか?どんな考察を提示してくれるのか?勉強のつもりで期待の鑑賞でしたが、ドキュメンタリーのカテゴリで初めてガッカリした作品でした。
これは何を見せられているんだろう?本作で知ることができる内容は映画チラシに書いてあることだけではないでしょうか?大変な想いをされたのだろうことはわかりますが、「で?」です。強制退去時の記憶のインタビューがただ流れるだけ。
強制退去が移民の方々にとって、過去、現在ではどんな位置付けなのか?すらわからない。最後にちょっぴり報告ありますが。だとするなら、名簿が見つかったことがどれだけ意味があることか?もわからない。
日本から取材したい人がきたから協力しました、って映像にしか見えません。だから、観るものに何にも訴えてきません。この監督は一体何を映像化したかったのか?疑問です。
別に事件が見たい訳でも不当な盛り上がりが欲しい訳でもありません。大変な思いしたんだね?って事で終わってよいのだろうか?と協力されたサントス沖縄県人会の方々に申し訳ない気持ちで一杯になりました。
当時の移民社会の(問題)事は「闇が深い」で終わらせてるし、移民自体の歴史を深堀するわけでもないし、バックボーンが何にも描かれないドキュメントなんてスカスカのインタビュー集です。戦場になった経験がある沖縄県人の移民だからこその歴史があっただろうし、そこに発生した強制退去がもたらしたものもあったはず。
このあたりを本作の制作者は描いていない。
なんだかな、夏休みの自由研究の発表みたいな作品でした。中身スカスカのインタビュー集、駄作。