Kamomy

川っぺりムコリッタのKamomyのレビュー・感想・評価

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)
3.4
総じて良作。
日本のいいところが絶妙な加減であたたかく描かれており、途中までは隣で見ていた知らない方に「いい映画でしたね。」って言って帰りたいくらいよかった。

一番好きなのは
マツケン×イカ工場の社長のシーン。
「毎日頑張って、それが1ヶ月、半年、1年…5年、10年になっていくんだよ。」
「それって意味あるんすか。」
「あるんだよ。ただそれは5年、10年続けた者にしか分からないんだよ。」
個人的に続けることや生き続けることへの素朴な疑問がたまによぎるときがあった。
この社長の言葉で単純にももう少し頑張ろうかと背中を押してもらえた。
それだけで私にはこの作品を観た価値があった。

ただ途中からやり過ぎ感が…。
1番無理だったのが大家×遺骨のシーン。
お願いだからそこまで行くなよ?って祈りながら観ていたけど我が祈り届かず。
自分も大切な人を亡くしたことがあるから気持ちは分かるけれど描写としてやりすぎて吐き気がした。園子温監督の『ちゃんと伝える』のあのシーンを超える吐き気。
そもそも各作品、満島ひかりちゃんに多くを課しすぎな!満島ひかりだから演じこなしてたとはいえだよ!大好きだよ!

そして最後な。今までずっと感情移入出来ていたのに、あそこで一気にフィクションになってしまって置いてけぼりで終了。
私が苦手な『ぶどうのなみだ』感。
途中の川っペリさん×墓石やの息子さんの演奏くらいが絶妙なラインでよかったのに!

ともあれ冒頭お伝えした通り、基本的には日本の優しさが詰め込まれた作品で海外の人にも是非見てもらいたいような雰囲気なのよね。
演者も全員大好きだし上手だし考えさせられるシーンもある。
ムロさんもいいよね。明るすぎる人ほど寂しいんだよ。それを体現してくださっていて本当にありがたかった。

だからこその上記2点の残念さ。
まだ胸が気持ち悪い。

大っ嫌いなシーンと大好きなシーンがあってスコア付けづらかったな。

※あと多くの虫やある種のグロが出てきます。殺人とかのグロより苦手だったので私はもう観れません。
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