ナツミオ

川っぺりムコリッタのナツミオのレビュー・感想・評価

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)
3.7
WOWOW録画鑑賞・W座

”生” ”食“ “死“

キャッチコピーは
“友達でも家族でもない。
でも、孤独ではない”

不思議な味わいと余韻が残る作品。
監督は、『かもめ食堂』(2005)の荻上直子。

見知らぬ町で新生活を始めた訳ありの孤独な主人公が、周囲の住人たちとの交流を通して人生の幸せをかみしめていく様を、松山ケンイチの主演でほっこり描いた人情ドラマ。

2022年日本作品121分
監督・脚本・原作 荻上直子
撮影 安藤広樹
音楽 パスカルズ
出演 松山ケンイチ ムロツヨシ 満島ひかり 吉岡秀隆 緒形直人 

(WOWOW番組内容より)
北陸の小さな町のイカの塩辛工場で働き口を見つけ、そこの社長(緒方)から紹介された〈ハイツムコリッタ〉という古いアパートの一室に住みながら、ひっそりと新生活を始めた山田(松山)。彼の日々のささやかな楽しみは、風呂上がりに冷えた牛乳を飲み、炊き立ての白いご飯をひとりのんびり味わうこと。しかし、引っ越し早々、隣室の住人の島田(ムロ)が図々しく彼の部屋に押しかけてきて、山田の静かな日々はすっかりペースを乱されることとなり……。

(WOWOW解説より)
訳ありの過去を持ち、今後は誰とも関わりを持たずに生きようと、見知らぬ町のボロアパートに越してきてひっそりと新生活を始めた孤独な主人公。ところが、個性的でにぎやかな周囲の住人たちに振り回され、なぜか食卓を一緒に囲むうち、いつしか彼も人生のささやかな幸せをかみしめるように。
『かもめ食堂』(2005)の荻上直子監督が、先の2019年に発表した同名小説を自らの手で映画化。『聖の青春』(2016)の松山ケンイチが訳ありの主人公を好演するほか、ムロツヨシ、満島ひかり、吉岡秀隆ら、豪華共演陣が愉快な演技を披露。

ムコリッタ(牟呼栗多)とは仏教の時間の単位のひとつ、1/30日=48分のこと。
”刹那“はその最小単位。

題名からして、仏教的な観念の生と死が描かれているのか⁇⁇

生きること=食べること

死ぬこと=骨になること、幽霊も登場

生きるものと死者との関わり

骨と向き合う

坊さんは、生と死をつなぐどちらにも属さない役柄⁈

宇宙人=イカの塩辛を捌く時の烏賊の目が宇宙人っぽい⁈

何故か脳裏に刻み込まれる大家さんの南詩織(満島ひかり)が夫の遺骨をセクシャルに使う。
その後の散水での虹。

最後の葬式での散骨パレード。
何故か、『アンダーグラウンド』(1995)のジプシー・プラス、フェリーニの『道』、『8 1/2』っぽいシーン。
音楽が葬送曲っぽく無い、賑やかな音楽が不思議な余韻を醸し出すラスト。

不思議な味わいと余韻が残る作品。



【忘備録】ネタバレ無し
(キャスト)
・山田たけし
松山ケンイチ
北陸の水産加工場の「沢田水産工業」で働いている。

・島田幸三
ムロツヨシ
ムコリッタ、隣部屋の住人。
小さな菜園を持っている。

・南詩織
満島ひかり
ムコリッタの大家。未亡人。

・溝口健一
吉岡秀隆
ムコリッタ住人。
墓石の訪問販売をしている。

・中島
江口のりこ
沢田水産工業のベテラン社員。

・ガンちゃん
知久寿焼
島田の幼なじみ。住職。

・堤下靖男
柄本佑
市役所職員

・大橋
田中美佐子

・いのちの電話・担当員
薬師丸ひろ子 (声のみ)

・タクシー運転手
笹野高史

・沢田
緒形直人
沢田水産工業社長。

黒田大輔
北村光授
松島羽那


解説
「かもめ食堂」「彼らが本気で編むときは、」の荻上直子の原作・脚本・監督で贈る「おいしい食」と「心をほぐす幸せ」の物語。
ムコリッタ(牟呼栗多)とは仏教の時間の単位のひとつ、1/30日=48分のこと。北陸の町を舞台に築50年のハイツムコリッタで暮らす4人の日常が織りなされる。
出演は「ひっそりと暮らしたい」と引っ越してきた孤独な男・山田に松山ケンイチ、山田との距離感が近い隣の部屋の住人・島田にムロツヨシ、夫に先立たれた大家の南に満島ひかり、墓石の販売員の溝口に吉岡秀隆といった豪華キャストが集結。
荻上監督がこれまでずっと描いてきた人と人がつながることで生まれる「幸せ」と「ユーモア」に包まれ、誰かとご飯を食べたくなるハッピームービーだ。

あらすじ
山田は北陸の小さな塩辛工場で働き口を見つけ、社長から紹介された「ハイツムコリッタ」という古い安アパートで暮らし始める。無一文に近い状態でやってきた山田のささやかな楽しみは、風呂上がりの良く冷えた牛乳。そして、お米が買える給料日を心から待ち望んでいた。ある日、隣の部屋の住人・島田が風呂を貸してほしいと上がり込んできた日から、山田の静かな日々は一変する。できるだけ人と関わらず、ひっそりと生きたいと思っていた山田だったが、夫を亡くした大家の南、息子と二人暮らしで墓石を販売する溝口といったハイツムコリッタの住人たちと関わりを持ってしまう。一緒にご飯を食べたり、笑ったり、そんな楽しい日々のなか、ある日、山田が北陸の町にやってきた「秘密」を住人たちに知られてしまう。
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