かわちゃん

ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけているのかわちゃんのレビュー・感想・評価

4.0
ビリー・アイリッシュだけの物語
ではありませんでした。

音源だけずっと聴いているとついつい忘れがちなのですが、
ビリーってまだティーンエージャーなんですね。(そしてこれ、何年も思っている気がする)
トップスターなのだけど、素顔はちゃんとティーンらしく、とってもチャーミング。
そして、そんな彼女を支えていく家族の愛がものすごく強固。

あの有名楽曲が本当にホームメイドなんだとわかるシーンがいくつも出てくるのも面白いところでした。

美しいフレーズも心地よいハミングも、
はたまた矯正器具を外す音も、
ベットの上で兄・フィネアスとのやりとりで生まれたもの、そのまま、、!!
また、あの「when the party's over」のMVは実家のお庭で構成を練っていたり、、、!
しかも、その後ろでは父ちゃんがウンコみたいなネズミの死体を拾い、、
スタンドインを担っている母ちゃんは、
かまってほしい犬にまとまりつかれていたりするのです。

ビリーがどんどん有名になって行く中で
「スターダムにのし上がる覚悟は?」と記者に聞かれた時の、あの白いヴィトンの衣装、
次のカットでは実家で母ちゃんが洗濯機に放り込んでいたりしますからね。
あまりに普通で、ほほえましくなります。

スターになったビリーでも、
ティーンらしい恋愛をしていたり、
パフォーマンスで失敗して弱気になったり、
ツアー中は親友といつも一緒で、ステージ上に[格納]までしていたり、、
また支えてくれる両親の忠告には素直だったり、、、
あの才能の塊が、まだまだちゃんと子どもだったことに、安心しました。。

ライブ会場には、そんな彼女を一瞬たりとも逃さず見つめる同じティーンのファンの子たちがいて、
全員が全員、目をキラっキラっさせているのが印象的。
暗いと言われているビリーの楽曲が、普通の子たちに、ノーマルに響いているのが見て取れ、
そういうご時世なんだと気付かされてハラリ。
ビリーの母ちゃんが言っていた
「恐ろしい世の中なのよ」ってこともドスンときます。
ビリーだけのことでなく、
まわりとの関係性ひっくるめて世界を少し認識できた気がします。

叶うならば映画館で、いい音響で
体験してみたいものです。
かわちゃん

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