ほのか

ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけているのほのかのレビュー・感想・評価

3.9
テイラースウィフト、レディーガガのドキュメンタリーがNetflixにあって、そのふたつがとてもすきだったので、わかってたけどこれも同じ流れですきでした。三者三様だけど、本当に彼女たちが大事にしたいことや苦悩や裏側に少し触れるだけで人の輪郭がはっきりする。でもこうやって知る機会がなくてもひとりのひとだということを念頭においておかなきゃいけないね。
正直、バッドガイも劇中で聴いてこれがバッドガイかぁ〜ってなる程度の知識しかなかったけど、ジャスティンビーバーに会えたり電話できたりするだけで12歳の少女に戻っちゃう彼女に泣いてしまった。


歌が等身大の彼女自身の心だからみんなのやわこいところにまっすぐ刺さるけど、裏を返せば歌は彼女自身すぎて、彼女が立てなくなってしまう時、歌もまた立てない時なんかなあって思った。
ファンは自分の一部、って言ってた。彼女が放つ言葉は大きなものを内包しているものが多いけれど、とても繊細で、少しでもつつけば崩れてしまいそうな危うさがあって、そんな彼女の一部にファンがいるのは栄養を得るための対価に血を与え続けてるような、命をかけた殴り合いのようにもみえた……。