風来坊

エージェント:カーター 暴走特急の風来坊のレビュー・感想・評価

2.5
米軍レンジャー部隊の隊長のカッターは救出任務に失敗して仲間を失ってしまう。何とか脱出出来たカッターだったが心に傷を負い、今は人里離れた森の中で人目を避け暮らしていた。しかし、任務失敗の原因となった国際テロリストのロダンが存命している事を知ったカッターは仲間の復讐を誓い再び戦場へと舞い戻る。アメリカ製のミリタリーアクション。

ジャケット写真のタイトルはカーターとなってるけど、劇中の表記や呼び方はカッターなんですよね…。配給元はちゃんと観たのかな?
一度引退した主人公が再び戦場へとか大将がわざわざ呼び戻しに来るとかアクション映画あるあるでテンション上がりますわ(笑)

80年代後半から90年代前半に量産された、乗り物内でテロリストと対決するB級王道のストーリー。「暴走特急」「クラッカージャック」「ロイス」なんかに影響を受けていると思われます。
オープニングも映像画質も2020年の映画に思えないオールドな雰囲気。あえて2020年にこれをやる気概はB級アクション好きとしては応援したくなる。

ストーリーも単純明快で善悪もハッキリしていてこれもB級アクションの特徴。他の作品からの映像拝借やフリー素材で誤魔化してもいるが、アクションシーンの雰囲気は悪くはない。
一部ではちゃんと火薬を使用した爆発を行っていて、やはりCGではない爆発は迫力がある。詳しくはないですが本物の軍用車両も登場してるようですし、B級なのにここをこだわるのは評価したい。

軽快な音楽は全く作品と合っておらず緊張感が削がれる。水中のセンサーがスゴく敏感だと言いながら、ペチャクチャ喋りながら任務遂行に緊張感は皆無…。更におバカな失敗で死亡&隠密作戦が即効でバレるとか…ホントに精鋭部隊かと疑問…。
まあコントみたいで笑えるけど(^o^;)

暴走特急と銘打っていますが、列車までたどり着くのにだいぶ掛かります…。意図でしょうが、にかく演出が古臭い!
歌に合わせての友情爆発回想シーンなんかその最たるものでダサい(笑)
まあその演出の臭さとダサさがクセにはなる。

この監督さん亡くなったのですね…。メイキングで追悼しています。
B級中心の監督で私はセガールの映画2本(脚本担当)でお世話になっていました。
巨匠とはお世辞にも言えないけれど、人がよさそうで現場では愛されていた監督さんらしく切なくなる。

色んなアクション映画からアイデアを少しづつパクっている、見終わって何も残らないチープで底が浅いB級ミリタリーアクションですが、B級のツボは抑えていてB級アクション好きの私はまあまあ楽しめた作品でした。

まとめの一言
「このオールド感、狙いだとしたらこの監督スゴい」
風来坊

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