風神

皮膚を売った男の風神のネタバレレビュー・内容・結末

皮膚を売った男(2020年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ムービープラス放送分を録画して鑑賞。

反転と虚像。

アラビア文字は右から左へ書く。
アルファベットと対に見える。
鏡に映り込む世界。
二画面、三画面と多重構造になった
画面が綺麗。
意図してる事は分かりづらいが
斬新で良かった。

冒涜なのか
救済なのか

芸術家特有の自己中心的な
アピール行為なのか
痛烈な皮肉を込めて
シリア難民への注目を高めたいのか。
物語として何を伝えたいのか。
シリアの特殊な情勢を理解してるから
主人公が何故戻ったのかが理解しづらい。
あんな国だけど、親もいて親戚もいて
って事なのだろうか。
ビザを背中に背負って
国外脱出した主人公が
嫁さんゲットして、生まれ故郷に
帰ってくるのは、幸せな事なのか。
うーむ、判断が難しい。

作者としての所有権。
作品の人権。
管理の必要性を語るが
精神的フォローはしない。
父親ではないから。

作家も後悔してるのか。
最後には、味方になってくれてる。

人が芸術作品。
作家自身の特異性を売りにした
サルバドール・ダリとは違い
他人の人生を芸術作品に
しようとする行為。
思いつきでは無く
温めていた構想にも思えたが
やってみたら無理がある。

物語もテーマも独創的で面白い。
映画として面白いかと言われたら
微妙な作品ではあるけど。

2023-163
風神

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