のちぱら

クリスマス・ ウォーズののちぱらのネタバレレビュー・内容・結末

クリスマス・ ウォーズ(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ】
サンタからクソなプレゼントを渡されたクソガキが、凄腕の殺し屋にサンタ殺害を依頼する!
サンタ側も経営不振からしぶしぶ陸軍の兵器開発を受諾しており、サンタのおもちゃ工場は軍の監視下に置かれてゴリゴリに警備される事になった!
そもそもサンタの居場所すら知らない殺し屋は、このミッションを達成する事が出来るのか!!!

【感想】
邦題やポスター、あらすじから「B級アクション映画」の波動を強く感じて視聴したが、実際には真逆も真逆のハードボイルドサンタ映画!!!

派手なアクションシーンこそ無いものの、メルギブソン扮するサンタのクリスが渋くて渋くてかっこよすぎて堪らなねぇんだこれが。
クリスの、サンタであると同時に経営者でもあるという立場からくる苦悩や哀愁には、現代社会を生きる事の辛さと重ねてしまい、思わず共感してしまう部分が多かった。

ヴィランサイドもキャラが尖っており、依頼主のクソガキはクソガキ通り越してもはや邪悪だし、殺し屋は凄腕なのにサンタに対する異常なコンプレックスを抱く変態。
殺し屋のサンタを巡る旅はちょっとしたロードムービーになっていて、徐々にサンタに迫ってくる過程が視覚的にも分かりやすいし細かい笑いどころを提供してくれている。

そんなサンタパートと殺し屋パート、別々の話が一つになった時、闘いのゴングは静かに鳴らされる…

この作品のテーマには「因果応報」があると思っていて、良くも悪くも作中のキャラの行動は結果となって返ってきている。
心が荒んでいたクリスは子供達からの感謝の手紙で自分を取り戻すが、そもそも荒んでいた時の行動(クソプレゼント)が原因でクソガキから殺し屋を差し向けられるし、殺し屋もクソガキも最終的にそれ相応の代償を支払う羽目になっているし、その辺を教訓としたいデスネー。

B級アクション映画を期待して観るとガッカリが強いけど、全体的に結構丁寧に作られてるし、刺さる人には刺さる映画だと思います。
(つまり日本側の公式の宣伝が悪い、猛省して♡)
のちぱら

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