うわぁ…後味悪…。
ほうほう『search』と『ゴーン・ガール』の風味だねﾆｯｺﾘという感じで見始めたものの、あちらはフィクション、こちらはドキュメンタリー。
しかも映像素材はすべて現実に残っているものを使っているので、粗さに宿るリアリティにゾッとする。
犯人探し云々よりも、この事件の背景にタイトル通り極めて「アメリカン」な生々しさがあって、その毒気に当てられっぱなし。
SNSに私生活を投稿しまくっていた妻の仕事はネットワークビジネス。ご近所はみごとに肥満体の白人しかいない（場所はコロラド州）。ああこれが、トランプを大統領に担ぎ上げた「アメリカ」なんだなあ…という妙な説得力。
そしてこの妻が…作り手に悪意があったと仮定して、それを50%くらい割り引いてもかなりの地雷な女性なのがまた、観ていてとても苦しいし、お粗末過ぎる犯人の動機や行動と結果の酷さにも悲しくなる。
なお、事件後に被害者のSNSアカウントが遺族・友人vsアンチたちの修羅の国と化しているそうな。
それも含めての『アメリカン・マーダー』でした。
