EnzoUkai

トータル・リコール 4KデジタルリマスターのEnzoUkaiのレビュー・感想・評価

3.6
公開当時、かなりの鳴り物入りの公開で、テレビを始めとしてメディアにも多く取り上げられもてはやされた。そんな雰囲気の中、嫌でも気持ちは盛り上がりもう期待の頂点の中で見た上でも、驚きは隠せなかった。
その後もビデオがリリースされればレンタルし、テレビのロードショーで放映される度に見ていた。ただ、その後、午後ローや深夜枠に放映が移動していくごとに作品がどんどん色褪せて見えるようになっていった。超弩級娯楽大作がキッチュなB級映画の雰囲気を醸し出す。
自分の中では、公開当時の宣伝が作り出す雰囲気に負けてしまったもんだと解釈もしていた。

さてさて、studio canal による4kリマスター。本当にこの会社には頭が下がります。次から次に旧作を最高の状態にレストアしてくれてます。
今作品に関しては、CG無しの作品だから、特撮シーンの合成粗を出来る限り補正したものと思われ、過去のリマスターに見られる背景との色調の不自然な違いがないです。ただ、逆に画面全体の線が弱くなってる印象で、明らかに綺麗!って感じではなかったですね。どちらかと言えばざらついた感じがしました。
音に関してですが、これは申し分ありません。そもそも銃撃シーンが多いので大袈裟な音作りになってる作品なので、喧しいくらいでした。

内容に関して、今回気付いたことなんだが、地球にせよ火星にせよ、アメリカ色が無い。オランダ人のバーホーベンが撮ってるから当たり前っちゃ当たり前なんだが、街並みがどこかドイツっぽくて火星の色街なんかはオランダっぽい。
SF映画で未来都市は様々な姿で描かれるわけで、今作は一つの唯一無二なイメージを我々に与えてくれる。
EnzoUkai

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