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トゥルーノースのlinenのレビュー・感想・評価

トゥルーノース(2020年製作の映画)
2.8
別作品ですが、ビヨンドユートピアを見て、北朝鮮のあり方に不審を抱いたので、より一歩先に踏み込んだ政治犯が収容されるという強制収容所の話を今回見させていただきました。
政治犯、といっても、テロを起こしたりしているわけではなくて、作中では韓国のラジオを聴くだけでも収容されてしまうそうですね。しかも連帯責任としてその家族も収容されてしまう。
収容所の中はもうアウシュビッツさながらです。北朝鮮、まさに現代のナチス。

主人公は、そのなかで懸命に生き、悲しい出来事もありながら、仲間と共に塀の中で過ごしていくんですが、この作品は実際強制収容所にいた人達の証言を元に作られているとはいえ、フィクションなんですよね。フィクションなのはともかく、ストーリー仕立てがすぎて設定から何から嘘っぽい感じがしてしまいました。
ただでさえ現実に起こってる問題(強制労働や政治犯の処刑など)が現実離れし過ぎていているので、そこにドラマ性を入れるとリアリティがなくなってしまう。なので差し迫るものがないというか、共感できないというか。恐らくこの前にビヨンドユートピアという緊迫感のある悲惨な生の声であるドキュメンタリーを見た影響が多分にあると思います。

一方で、アニメそのものが面白くないと問題提起にも興味を持ってもらえないので、ある程度のエンタメ性やドラマ性はしょうがないのかな…とは思いつつ、北朝鮮という問題のある国を知るきっかけになる意義のある作品だとは思います。
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