そう

アメリカの友人のそうのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカの友人(1977年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

好きな映画だけど長いw
独特のタルさはある。

子供もいるから厳密には違うけど、女の愛情と男の友情についての話かなと。

2回目の殺人シーンでリプリーが登場するところはアガる。

音楽はずっと不穏さを保っているけど基本的には静かな映画で、そこに突然挿入される暴力が良いアクセントになっている。ソナチネのエレベーターシーン思い出すね笑

原作が人間心理の不可解さを描いたものらしい。確かに最後の海のシーンなどは少し不可解。原作者はそこ気に入ってないらしいけどwヴィム・ヴェンダースがかなり変えた部分もあって、人物設定が変わっていたり原作には出てこない役もあるらしい。

パッと見このスイス移民のヨナタンが哀れに見えるものの、不治の病を抱えているといっても家庭を持っていて孤独ではない。我が強そうなリプリーの方が実は自分自身を見失っていて、日記のように日々を録音して自撮りまでして自分を刻み込もうとしている。

今でいうところのいいね!依存症?結局どんなに頑張ってみても自分で自分を評価出来ずに踠いている。良い人になろうとすることで救われようとしたのだろうか。

ヴェンダース曰く作中の赤はリプリーがヨナタンに対して抱く脅威の象徴らしい。前半こそ死を恐れるヨナタンがいたが、死期を悟ったあとの彼は精神的にリプリーよりも強くなった。対してリプリーの方は自分の心の狭さから流した噂で、善良な男を殺し屋にしてしまった罪悪感に苛まれている。というか元々、一匹狼の彼の精神は常に混乱している。男は早めに身を固めた方が良い、、

心の安定や重ねてきた人生が二人の顔面に分かりやすく表れているのが良い。まあデニス・ホッパーは実際ハードな人生歩んできてるから適役過ぎるわけだけども笑

物語に深みを与えているのはやはり音楽だろうと思う。うるさい映画ではないけど、心のざわつきを感じさせる。要はBGMがネタバレそのものなんだけどw

登場人物たちは決してお洒落ではないんだけどどこかお洒落な映画。それは美術とかロケ地とかそういうところなんだろう。カウボーイハット=アメリカ人てwでも確かにカウボーイハット、ネルシャツ、ジーンズ、ピストルでアメリカ人完成だよなあ
そう

そう