【又见奈良】2021年3月、劇場で。
日本へ帰国して数年後に連絡が途絶えた元中国残留孤児である娘を、里親だった中国人お婆ちゃんが奈良へ訪ねに来るちょっとしたロードムービー。日本側の役者は國村隼や永瀬正敏など。音楽担当の鈴木慶一はやっぱりカメオ出演。
奈良出身の河瀨直美がプロデューサーに名を連ねる「なら映画祭」の企画映画で、中国人監督による全編日本ロケの作品。日本では2020年秋に奈良とTIFFで上映されたようですね。
冒頭、ユーモラスな音楽と共に短いアニメで「中国残留孤児」の歴史的背景と、映画の時代設定である2005年までの流れが分かりやすく説明される。
里親お婆ちゃん・日中ハーフの知人女性・女性が働く居酒屋の常連客(國村)。聞き込み情報や今までの手紙や写真などを頼りに、ドラクエの様に奈良各所をトボトボ尋ね歩く3人。
笑わせるシーンも多いし程よく泣ける。オフビートな演出で私が好きなタイプの邦画に近い。
3人の前で、別の残留孤児女性が旦那のエアギターならぬエア胡弓の伴奏で京劇の一節を披露するシーンでは、なんか涙あふれつつ可笑しくて、泣き笑いしてしまいました。この方もそうですが、実際の帰国残留孤児も多く出演しています。
ドキュメントも見ましたが、お婆ちゃんとジェスチャーで交流する肉屋役が監督でした。