映画らしいかっこよさみたいなのはなくて、そのまま、田舎のまま、生活のまま、という感じで、あ〜奈良だなあ…としみじみする良い映画だった。
最初にバーンと中国の上映許可証が出て、あ、そうか、これは中国でも上映されるんだと思った。
最初のほうに時代背景を説明してくれるアニメーションがあるのだけど、分かりやすくて、可愛くて、明るい音楽だけど悲しくて泣ける。
『ユンヒへ』は、ジュン役に韓国語を話せる俳優さんを起用しなかった/できなかった為に、"その先"が展開できなかったという印象なのだけど、この映画はそういった言語的な問題をクリアできているところが見やすい。
現代の感覚でリアルに考えれば、そもそも最初の時点で、元警官だと名乗るおじさんを信用してしまっていいのか、という気がしてしまうけど…汗
この映画の中には、悪い人は出てこない。
誰のことも責めていない。「その気持ちも分かるんです」という台詞に、常に相手の立場も考え合わせる監督の優しさが出ていると思う。
誰も積極的な悪意は持っていないし、みんな普通の人たちなのに、悲しいことが起こる。
でも、希望がないわけじゃない。だって、誰も、悪い人というわけじゃないのだもの。そういう映画かなあ。
余談。
エンドロールでsupported by LDHと出て、えっ、LDHさんって、こんな注意標識みたいなロゴなんですか!?と思って後でググってしまった汗
果たして、私の思っていたLDHさんであった。