ダイゴロー

アムステルダムのダイゴローのネタバレレビュー・内容・結末

アムステルダム(2022年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画を一言で表現するなら「冗長な会話集」。

予告で気になったので10月28日に観賞しました。明るい雰囲気の予告だったり、「ほぼ実話」のキャッチコピーに惹かれて少しコメディチックなサスペンスかなー、と期待してました。ただ見終わった感想としては、コメディチックではあるけど思ったより暗く、内容が非常に冗長で会話中心の物語だと感じました。期待とは違ったなという印象。

1933年頃のニューヨークにて、退役軍人の医者とその友人の黒人弁護士が元上司の死を解明するためにその娘に調査を依頼され、結果として事件に巻き込まれてしまうストーリーです。
冒頭では冗長な会話がメインとなり、豪華な俳優同士がスラップな掛け合いをしています。背景等の説明が少なくイマイチ内容が入ってきませんでした。誰がハロルドでこの二人はどういう関係なの?と疑問のまま掛け合いを聞いて辛うじて理解できる程度。
解剖シーンや車に引かれるシーンなど思ったよりエグいシーンが含まれてたので、耐性が無い方は注意した方が良いかもです。

いよいよ物語がスタートする、という所で「ちょっと待って。これじゃ何がなんだか判んないよね?」というセリフとともに過去の回想シーンに突入。ここでようやく「アムステルダム」のタイトルが関連・登場人物の関係や立場などが解明されるんですが、これがとても長い。時計は無かったんで正確には測っていませんが、回想シーンだけで30分以上はあったのかな?
そして何よりも本編よりも、回想での出来事の方が面白そうなんですよね。そのせいで回想シーンが終わる頃には本編の内容を忘れかけてました。

本編に戻ってきてようやく事件を捜査するんですが、段々とキナ臭い話が出て来ます。濡れ衣を着せられてる主人公二人はそれを拭うべく奔走するんですが、正直言うとこの辺の捜査パートが全然見応え無いんですよね。
おつかいゲームのように、誰々に会え→何を持ってこい→次にこの人物を調べろ……みたいな感じで、大体が登場人物達の掛け合いだけ。内容も過去の友人とたまたま遭遇しちゃったーとか、そんな感じで延々と会話と掛け合いが続くだけ。

最後はこの陰謀が国家転覆を狙う秘密結社が関わってるーとなり、今までの仲間を集結して悪党どもを罠に嵌めるぞと意気込むんですが、この辺はちょっとワクワクしました。
ただ実際その罠を仕掛けるシーンも殆ど無く、流石に内容をネタバレする訳にはいかないので割愛しますが、呆気なく終わった感じです。またヒロインの妄想が突然挿入されていて、それも意味判らん。エンディングも予想の範疇といいますか、取って付けたような内容でしたね。


「ほぼ実話」というには中々インパクトのある内容ですが、それを上手く調理出来なかったんだなぁって印象です。物語の構成もイマイチですし、無駄なシーンも多く何より登場人物に魅力が無い。感情移入が出来ない。悪い意味での観客置いてけぼりアメリカ映画って感じでした。
それと実話、というのもクリスチャン・ベールの祖母が体験したものを元にしてるというガッツリ身内ネタでもあり、そこもガッカリポイントでしたね。

個人的にはあまりオススメしません。
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